古事記と日本書紀に記されている内容の虚実を指摘し、発禁になった著書。
読んでいて本当に痛快な気持ちになる。
有り得ないものは有り得ない。
そんな当たり前のことを書いているのに、感動する。
つまり、当たり前のことを当たり前に発言するのは、今をもって尚、難しいことだから。
津田は、天皇は神ではないと断言している。
あの時代に、そんな勇気ある執筆活動ができた研究者がいるなんて。
学問への誠実な姿勢。
真実を欺くことへの罪悪感。
世の中の流れに従うことを津田は己に対して許さなかったんだと思う。
「それおかしくないですか?」
そう、おかしいことはおかしい!
私も流れに棹をさして生きたい。